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子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)とは?知っておきたい子宮の病気

2022年8月24日


子宮の病気はさまざまあり、そのうちの1つが「子宮筋腫(しきゅうきんしゅ)」です。子宮筋腫は良性の腫瘍ですが、不妊につながることもある要注意な病気です。 今回は子宮筋腫についてお話ししていきます。

子宮筋腫とは?

子宮筋腫とは、子宮の壁にできるこぶのような良性の腫瘍のことです。
筋腫ができる原因は明らかになっていませんが、卵巣から分泌される女性ホルモン(エストロゲン)によって筋腫が大きくなると考えられており、閉経後腫瘍は小さくなります。

腫瘍が発生する場所によって、子宮の内側(粘膜下筋腫)、子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)、子宮の外側(漿膜下筋腫)と種類が分けられます。
子宮筋腫は頻繁にみられる腫瘍で、特に30代~40代に多く、30歳以上の20~30%の人にみられるといわれています。

子宮筋腫の症状

おもな症状としては、下記のものが挙げられますが、約半数は無症状とも言われています。

  • 過多月経(2時間に1度ナプキンを替えてももたない生理)
  • 過長月経(8日以上出血が続く生理)
  • 生理痛
  • 貧血

子宮筋腫が大きくなると下記の症状もみられるようになります。

  • 頻尿
  • 排尿困難
  • 便秘
  • 腰痛

これらの症状の強さは、筋腫の大きさや発生する場所によって異なります。それぞれの場所にできた場合の症状についてみていきましょう。

子宮の内側(粘膜下筋腫)

筋腫が小さくても、過多月経、過長月経、生理痛などの症状が出やすいのが特徴です。出血量が多いので貧血にもなりやすいです。

不妊や流産の原因となることも。

子宮の筋肉の中(筋層内筋腫)

小さな筋腫であればあまり症状は出ませんが、大きくなると経血量が増えたり、不妊につながったりすることもあります。
この筋層内筋腫が子宮筋腫の中でも一番多く、多発しやすい場所です。

子宮の外側(漿膜下筋腫)

大きくなっても経血量の増加などの症状が出にくいため、気が付きにくい筋腫です。
膀胱など他の臓器を圧迫することで頻尿や便秘といった症状が出ることもあります。

検査と診断

婦人科にて、診察内診超音波検査を行い診断します。
必要に応じてMRI検査子宮鏡検査などを行い、超音波検査では映らない筋腫の診断をすることもあります。

治療

筋腫が小さくて症状がないなど軽度の場合は治療の必要はなく、半年から1年に1度検査で筋腫の変化をみる「経過観察」となります。症状が重い場合は手術やお薬で治療を行います。

患者さんの年齢や筋腫の発生した場所、大きさ、数、症状、妊娠・出産を希望するかどうかなどを考慮して治療法が検討されます。

薬物療法

今のところお薬で子宮筋腫を根本的に治すことはできません
そのため、お薬で子宮筋腫を治療する場合は、子宮筋腫を小さくする方法(偽閉経療法)、または過多月経や過長月経、生理痛などの症状を抑える方法(対症療法)を行います。

手術療法

子宮筋腫を根本的に治療するためには手術を行います
手術療法は、筋腫のみを取り除く「筋腫核出術」と子宮全体を取り除く「子宮全摘出術」があります。
子宮全摘出術は、悪性腫瘍である疑いがある場合などで、妊娠を望まない人に対して行われます。

予防

子宮筋腫は原因がはっきりしていないため、具体的な予防策はないというのが現状です。
しかし基礎体温表をつけたり経血量や生理痛の変化に注意するなど、生理の状態を把握しておくことで、異常に早く気づくことができ、早く受診することで悪化を防ぐことができます。
定期的に婦人科検診を受けることも早期発見につながります。

まとめ

子宮筋腫自体は良性の腫瘍ですが、できた場所や大きさによって症状が強く出たり、不妊の原因になることがあります。
日頃から自身の生理の状態を把握したり、定期的に検診を受けるなどして、早期発見に努めることが大切です。

医師監修:小林克弥先生

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