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自分の人生を自分で決められる権利「SRHR」とは?

2022年3月7日


みなさんは「SRHR」という言葉を聞いたことがありますか? 聞いたことがない、意味をよく知らない、という人もたくさんいると思います。 SRHRは、自分の人生を自分で決められる権利を表す言葉です。 今回はSRHRについてご紹介していきます。この記事を読めばきっとSRHRを身近に感じることができるので、ぜひチェックしてくださいね! 【執筆】スマルナ編集部 【監修】助産師/性教育YouTuberシオリーヌ

SRHRって知ってる?

普段あまり耳にする機会がない「SRHR」という言葉、みなさんは知っていますか?
スマルナユーザーのみなさまに、この言葉について知っているかを聞いてみたところ、下記のような結果となりました。

スマルナユーザー調査(2023年年5月12日〜5月19日)回答数511

まだまだ知られていないこの言葉ですが、すべての人の「性」と「生き方」に関わるとても大切な意味があります。
「SRHR」とはどのような意味の言葉なのか、具体的に説明していきます。

こんな経験ありませんか?

  • 自分とパートナーの間での「避妊」に関する認識にズレがある
  • セックスを断ったら嫌われそうで怖くて、気分じゃないときも我慢している
  • 自分の性別に違和感を感じながら、「男女」で分けた制服を着ないといけない
  • 一人の生活が楽しいのに、結婚しなさいと言われる
  • 好きになる相手が同性という理由で、学校や職場でいじめや差別を受ける
  • 周りの人から「子供はまだ?」と言われる

こんなとき、違和感やモヤモヤを抱えながらも、いつのまにか我慢していませんか?
「つらい」「いやだ」と思っても、なかなか声をあげられないことがあるかもしれません。
自分の身体が、自分のものではないように思えてしまうかもしれません。

でも、あなたの身体はあなたのものです。
あなたが自分のココロと身体を大事にして、自分の人生を自分で決められるという考え方は、本来大切に守らなければならないもの。この考え方が「SRHR」です。
今日は、そんな「SRHR」について、わかりやすく解説していきます。

「SRHR」とは?

「SRHR」とは、そもそも何を意味するのでしょうか?
「SRHR」とは、Sexual and Reproductive Health and Rights(セクシャル・リプロダクティブヘルス/ライツ)の頭文字をとったもの。日本語では「性と生殖に関する健康と権利」と言います。

これはすべての人の「性」と「生き方」に関わる大切なことを表しています。

あまり聞き慣れない言葉で、なんだか難しいと感じてしまう人も多いかもしれません。

「SRHR」とは、「自分の身体や人生は自分のもので、自分の身体や人生のことを決める権利は自分にしかない」という考え方です。
「SRHR」は、4つの言葉の組合せで出来ている言葉なので、1つずつ分けて考えるとよりわかりやすくなります。
参考:「セクシュアル・リプロダクティブ・ヘルス/ライツ(SRHR:性と生殖に関する健康と権利)とは」公益財団法人ジョイセフ

セクシャル・ヘルス
自分の性に関することについて、心身ともに幸せを感じられること。また、その状態を誰にも否定されないこと。

リプロダクティブ・ヘルス
妊娠・出産したい人も、したくない人も、自分の意思が尊重されて心身ともに健康に生きられること。

セクシュアル・ライツ
自分の性のことを、自分で決められる権利のこと。自分の愛する人、自分の性的な快楽、自分の性のあり方(男か女かそのどちらでもないか)を自分で決められる権利。

リプロダクティブ ・ライツ
産むか産まないか、妊娠のタイミングなどを自分で決められる権利。生殖に関する全てのことを自分で決めるために、必要な教育や情報を得る権利を含む。

セックスをするかしないか、子どもを産むか産まないか、自分の性をどう認識するか、どんな性別の人を好きになるかなど…これらはすべて、自分自身で選択していいのです。

日本のSRHRの現状

「SRHR」という考え方は、本来はとても大切で、どんなときも尊重されるべきものです。しかし、日本ではまだあまり浸透していないのが現状です。
実は、生理のことや、避妊方法の選択、中絶の選択、性的指向やジェンダーの自由など、これらはすべてSRHRに関係することなのです。
ここでは、いま日本で課題となっているトピックをいくつかピックアップしてご紹介します。

性教育の「はどめ規定」

文部科学省が定めている中学校の教育カリキュラム(学習指導要領)では「妊娠の経過は取り扱わない」としています。つまり、セックスについては取り扱わないとしているのです。これを「はどめ規定」と呼びます。

国際的には、身体の仕組みやセックスのこと、そして自分との向き合い方や人とのコミュニケーションなど幅広い内容を教えることがすすめられています。
これは人権やSRHRなど、尊重されるべき考え方を意識して伝えられているものです。

日本では「はどめ規定」によって、十分な性教育を学校で受けられない状況があります。これは、子どもたちのSRHRの一つ「必要な教育や情報を得る権利」が守られていない状況と言えます。

避妊方法の選択肢が限られている

日本における避妊法について、国連の調査では下記のようなデータが報告されています。
※ここでの男性・女性は「妊娠の当事者になる=女性」「妊娠の当事者にならない=男性」という意味合いです。生物学的な理由から、大きくこの二つに分けて書いています。

  • 女性主体:(低用量ピル)約2%、(IUD)約1%
  • 男性主体:(コンドームと腟外射精)約90%

※腟外射精は妊娠の可能性が高く、正しい避妊法ではありません。
参考:World Contraceptive Use 2020

コンドームと腟外射精は、男性の行動が伴わなければいけないので「男性主体」の避妊法です。約90%と、圧倒的に多いことが分かります。これに対し、「女性主体」の避妊法が選ばれている確率は、ピルとIUDを合わせて約3%という結果でした。

男性主体の避妊方法は、男性の行動が伴わなかった場合に、妊娠の可能性を女性一人で背負うことになります。女性のSRHRを守るためには、「妊娠の当事者である女性が、自分の意思で行える避妊法」が選択肢としてもっと広まることが大切と言えます。

避妊の選択肢が限られている要因として、女性主体の避妊法へのアクセスが悪いことが挙げられます。
費用が高額なこと、ピルの入手には処方箋が必須であること、承認されている避妊アイテムが少ないこと...などです。

※海外ではピルやIUD以外にも、「避妊パッチ」や「避妊インプラント」などさまざまな女性主体の避妊方法が普及しています。保険が適用されたり、安価でアクセスできたりと、制度が整えられていることも普及の大きな要因です。

法制度が整っていない

他にも、性的マイノリティ(LGBTQ+)への差別を禁じる法律や、性の自己決定を保障する法律が整ってないなどの問題があります。
これは「自分の人生を自分で決める権利」が、制度によって十分に守られていない状況を作り出しています。

あなたの人生は、あなた自身が決めていい

難しく感じる部分もあったかもしれませんが、この記事を通して、覚えておいてほしいことが一つあります。
それは、「あなたには自分の身体や生き方のことを自分で決める権利がある」というSRHRの考え方。

日本ではまだSRHRが十分に浸透していない現状もありますが、「自分のココロと身体が尊重されていない」と感じる気持ちは我慢しなくていいのです。

あなたのココロと身体はあなたのもの。
一人一人が自分の生き方や選択を大切にし、そして応援しあえる社会になるといいですね。

スマルナはすべての人のSRHRが尊重され、「ココロとカラダが健康で、ワタシらしい人生を選べる」ように、みなさんをサポートしていきます。

また、下記にいくつかの相談窓口を紹介しています。
悩んだ時は、一人で抱え込まず、ぜひ相談してみてくださいね。

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