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「パートナーが避妊に協力してくれない」ふたりで考えたいポイントを紹介します!

2021年12月8日


パートナーが避妊に協力してくれない、そんな悩みに直面したことがある人は少なくないと思います。きちんと避妊できてないという不安を抱えてセックスをした場合、セックスの後も妊娠の心配などで頭がいっぱいになってしまうものです。 今回は、そんなときパートナーとどんなコミュニケーションをとればいいのか、アイデアをまとめました。 【執筆】スマルナ編集部 【監修】助産師/性教育YouTuberシオリーヌ

パートナーが避妊に協力してくれない...

妊娠を望んでいない場合は、セックスの際に必ず何らかの方法で避妊をする必要があります。

でも、恥ずかしさや気まずさなどで、避妊のことはなかなかパートナーと話し合いにくい、と感じる人もいるでしょう。
パートナーからコンドームを使いたくないという意思表示をされたとき、「相手に嫌われたくない」「不安だけど、相手が大丈夫って言うなら...」と、避妊なしのセックスを経験したことがある人もいるかもしれません。

勇気を出して避妊の話をしたとしても、パートナーに協力してもらえないと、妊娠への不安で頭がいっぱいになってしまいますよね。そして、相手に対しても、悲しい気持ちや不信感が募るものです。

今回は、そんなときパートナーとどんなコミュニケーションが取れるか考えてみました

...とはいえ、ここに書いてあることは、あくまでアイデアであり、理想的だと思えるようなコミュニケーションです。
ハードルが高いと感じたり、すぐにはトライできない、と思ったりすることもあるかもしれません。
まずは、「こういうアイデアがあるんだ」と知ってもらうだけでも大丈夫。そして、アクションを起こしたいと思ったときに、またこの記事を読んでもらえたら嬉しいです。

【※この記事の背景】
スマルナでは、「男性のパートナーが避妊に協力してくれない」というご相談をたくさんいただきます。
「女性側が避妊に協力しない」というケースもありますが、上記の背景から、今回は「男性が避妊に協力してくれない」場面を想定して記事にしています。

あなたには、「避妊したい」と言う権利がある

ポイントの紹介に入る前に、まず覚えておいてほしいことがあります。

それは、あなたには、避妊の方法や、妊娠したいタイミング、産む・産まないなどを自分で選ぶ「権利」があるということです。
※これは、「SRHR(性と生殖に関する健康と権利)」とも呼ばれています。

あなたの身体はあなた自身のもので、「どうしたいか」を決めるのはあなた自身が持っている権利です。相手が誰であれ、その権利を奪うことはできません。「避妊したい」という意思を相手に伝えることは、自分のココロと身体を守るための、立派な行動です。

このことを頭に置いて、読み進めていってくださいね。

パートナーと一緒に考えてみたいことリスト

ここからは、パートナーと考えてみたい、具体的なポイントを紹介していきます。
※面と向かって話しにくい場合などは、各項目で紹介している記事や動画などをパートナーにシェアしてみてくださいね。

①将来の妊娠や出産について話してみよう
②お互いの身体や妊娠の仕組みについて知ろう
③「もし妊娠したら」を想像してみよう
④産むと決めた場合のことを二人で考えてみよう
⑤中絶について二人で調べてみよう
⑥これからの避妊について話しあってみよう

①将来の妊娠や出産について話してみよう

あなたとパートナーが、どんなライフプランを描いていて、将来の妊娠や出産をどう考えているか話しあってみましょう。

妊娠や出産は、人生に大きな影響があるイベントです。「仕事が落ち着いたら、~歳くらいで子どもが欲しい」「子どもは欲しくないから、これからも避妊したい」というように、思い描く人生は人それぞれ。こういった会話は、お互いの価値観や将来像を知るためにもいいと言えるでしょう。

【話しあってみよう】

  • 将来子どもが欲しいか、欲しくないか
  • 自分が何歳くらいで子どもが欲しいか
  • 子どもは何人欲しいか
  • 産休や育休はどうするか...etc

②お互いの身体や妊娠の仕組みについて知ろう

お互いの身体のことや、妊娠の仕組みなどを一緒に勉強してみましょう。
正しい情報を知ることで、避妊にまつわる誤解が解けたり、お互いの身体に向き合ったりするきっかけになるでしょう。

【調べてみよう】

  • どうやって妊娠するのか
  • 妊娠はいつ、どうやって分かるのか
  • 「安全日」は本当にあるのか
  • 外出し(膣外射精)で避妊はできるのか
  • 性感染症はどうやって予防するのか...etc

記事を読む以外に、YouTubeなどの動画を観てみるのもおすすめです。
自分の言葉で伝えにくかったり、一緒に調べるのが難しかったりという場合は、下記の動画をパートナーに送ってみるのもいいかもしれません!

~おすすめコンテンツ~
助産師/性教育YouTuber シオリーヌさんのコチラの動画をチェック▼
【必見】つけたくない人&つけない恋人に困っている人に伝えたいことがあります

③「もし妊娠したら」を想像してみよう

もし今自分が妊娠したら...ということを想像しながら、学校・仕事への影響や、周りにサポートしてくれる大人がいるかなど、パートナーと話し合ってみましょう。

具体的な対応を考えてみることで、妊娠をよりリアルに想像できるようになります。自分たちの状況を客観的に見つめるためにもいいかもしれません。

【想像してみよう】

  • 一緒に病院に行くか
  • 学校や仕事はどうするか
  • お互いの家族に伝えられるか
  • 困ったときに頼れる大人は周りにいるか
  • 産むか、産まないか...etc

④産むと決めた場合のことを二人で考えてみよう

産むと決めた場合のことを、二人で考えてみましょう。
出産や子育てには、さまざまな準備が必要になります。特に、一緒に育てるかどうかや、子育てにかかるお金の準備については事前に話しあっておけると安心です。子どもができたとき、大人としてお互いが責任をとれるか考えてみましょう。

【調べたり、話しあったりしてみよう】

  • どこの病院で産むか
  • 出産や育児にはどれくらいのお金がかかるのか
  • 産休や育休はいつからとれるか
  • 一緒に育てるかどうか
  • 結婚するか、しないか
  • 結婚しない場合、子どもの戸籍はどうなるか
  • 里親制度や特別養子縁組を使うか...etc

⑤中絶について二人で調べてみよう

中絶(人工妊娠中絶)について、二人で調べてみることもおすすめです。
中絶するために必要な条件や同意書のこと、手術や入院にかかる費用などを調べておきましょう。あなたのココロと身体にかかる負担についても知っておくことで、日頃の避妊への意識が変わるかもしれません。

中絶は女性の健康と生活を守るための、大切な選択肢です。ただ、心身ともに大きな影響を残すことに違いはありませんので、妊娠を望んでいない時期には確実な避妊に取り組む必要があります。
出典:CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識 シオリーヌ(大貫詩織) 著

【調べてみよう】

  • 中絶を受けられる条件に当てはまるか(身体の状態や、経済的な理由など)
  • 中絶手術を受けられる時期はいつまでか
  • 手術はどんな方法があるのか
  • どれくらいの費用がかかるのか
  • ココロにはどんな影響があるのか
  • 身体にはどんな影響があるのか...etc

⑥これからの避妊について話しあってみよう

これからの避妊について話し合い、お互いが納得・安心できる避妊法を選ぶようにしましょう

より確実に避妊ができるように、コンドーム以外の避妊方法を検討するのも一つの選択肢です。ただ、パートナーが「コンドームをつけたくないから」といった理由で、あなたが望まない避妊法を選ぶ必要はありません。あなたが、より安心して過ごせる選択肢を優先してくださいね。

お互いが納得した上で、コンドーム以外の避妊法を選ぶ場合は、コンドームなしでも安全なセックスができるように、性感染症の検査についても話し合いましょう。

【一緒に避妊方法を選ぼう】
(コンドーム+その他方法の併用OK!)

  • コンドーム
  • ピル
  • 子宮内避妊器具(IUD・IUS)
  • 避妊手術(男性・女性)

【もしも、避妊に失敗したら?】
「もしも避妊に失敗したときはどうするか」といったところまでパートナーと話し合っておけると、より安心です。
避妊に失敗した場合は、セックスの後にアフターピル(緊急避妊薬)を服用するなどの対処法が考えられます。

アフターピルを手に入れるには、医師による診察と処方が必要です。どこの病院に行くか、オンライン診療を使うか、費用は折半するか...など、失敗した時の対処法を一緒に考えておくと、これからのセックスにも安心感が増すかもしれません。

最後に伝えたい3つのこと

最後に伝えたいことは、3つあります。

  • 一番大事なのは、あなたが安心できること
  • 断れなかった自分を責めなくていい
  • 避妊に協力しないことも「性暴力」

まず、一番大事なのは「あなたが安心できること」ということです。
あなたの身体は、あなたのもの。「避妊したい」というあなたの意思はどんなときも尊重されるべきです。
避妊方法についても、あなたが心地よく過ごせる選択肢を優先してください。

あなたが誠実に向き合っているのに、パートナーがちゃんと話を聞いてくれない場合は、一度関係性を見つめ直してみてはいかがでしょうか?あなたを非難したり、傷つけるようなことを言ってきたりした場合は、あなたのココロと身体のためにも少し距離を置いてみるのもいいかもしれません。

また、避妊なしのセックスを断れなかったことで、どうか自分を責めないでください。これは、無理やり迫ってきたり、「大丈夫だから」と説得したりした、相手の責任です。

避妊に協力しないのも「性暴力」

なお、コンドームをつけてほしいと伝えているにも関わらず避妊に協力しないという行為は、「性暴力」や「デートDV」に当てはまります
※セックスの途中で、こっそりコンドームを外すなどの行為も含まれます。

性暴力というと、なんだか大げさな感じがして、自分には関係ないことと思ってしまうかもしれません。しかし、「避妊についてお互いの同意をとる」ということも、セックスをする上での大切なルールです。

このルールは「性的同意」と呼ばれていて、性的なスキンシップをとる際には、必ずお互いがその行為を積極的に「したい」と思っているか確認する必要があるよ、というもの。
セックスをすること自体に同意がとれていても、避妊においてお互いが納得していなかったり、どちらかの「避妊したい」という気持ちが無視されたりすれば、安心・安全なセックスはできません。お互いのココロと身体を思いやるために欠かせないこのルールは、相手との関係性に関わらず、いつ、どんなときも必要だということを覚えていてください。

相手とのパワーバランスがあって断れなかったり、抵抗すれば暴力を振るわれたりと、自分では解決が難しい状況もあるかと思います。
そんなときは一人で抱え込まず、下記のような相談窓口に一度相談してみてくださいね。あなたが必要な助けを見つけられる場所は、きっとあるはずです。

【全国のデートDV相談所】

まとめ

パートナーが避妊に協力してくれないと、妊娠への不安や、パートナーへのモヤモヤした気持ちが募ってしまうものです。ずっと一人で悩んでいて、今回「何とかしたい」とこの記事を開いてくれた人もいるかもしれません。

覚えておいてほしいのは、あなたには避妊や妊娠・出産について「どうしたいか」を自分で決める権利があるということ。あなたが安心して過ごせることを最優先に、パートナーとできる範囲でコミュニケーションをとり、これからの避妊や二人の関係性について考えてみましょう。

なお、避妊に協力しないことは「性暴力」と考えられます。あなたが助けを求められる場所はきっとあるので、一人で抱え込まずに、ぜひ相談窓口などを活用してみてくださいね。

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