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あなたは大丈夫?「束縛」や「スマホチェック」など意外と身近なデートDVについて

2021年12月29日


パートナーから傷つくことを言われたり、「これって束縛?」とモヤモヤしたりすることはありませんか? または、自分がヤキモチをやいて、相手の行動を制限したくなることはありませんか? 10代カップルの3組に1組の割合で起きているともいわれる、デートDV。もしかしたら、あなたも気づかないうちに被害を受けていたり、DVに当たる行動をとっていたりするかもしれません。今回は、意外と身近なデートDVについてまとめました。 【執筆】スマルナ編集部 【監修】助産師/性教育YouTuberシオリーヌ

こんな経験ありませんか?

今まで、パートナーに下記のような言動をとられた経験はありませんか?

  • すぐ連絡を返さないと機嫌が悪くなる
  • あなたの見た目や性格に対して傷つくことを言われる
  • 借りたお金を返さない
  • あなたが嫌がっているのにキスやセックスをする

これらは、全てデートDVに当てはまる行為です。

パートナーの行動に違和感を感じても、「ただの束縛」「からかってるだけ」「嫌われたくないから我慢しよう」と、目をつぶることもあるかもしれません。大したことじゃないと思って、自分が被害にあっていることに気づかない場合もあるでしょう。

ですが、こういった行動は、時間とともにエスカレートしていく可能性があります。少しでも違和感を感じたら、それはデートDVが起きているサインかも。あなたのモヤモヤや悲しい気持ちを、我慢しなくて大丈夫です。

「デートDV」ってどういう意味?

そもそも、「DV(家庭内暴力)」という言葉は、家族という関係の中で起こるさまざまな暴力のこと。これが、恋人の間で起こると、「デートDV」と呼ばれます。

デートDVに、性別は関係ありません。誰もが、被害者にも加害者にもなり得ます。

暴力というと、なんだか大げさな感じがして、自分には関係ないことと思ってしまうかもしれません。しかし、デートDVは「10代カップルの3組に1組」の割合で起きていると言われていて、決して他人事ではないのです。

では、ここでいう「さまざまな暴力」とは何を意味するのでしょうか?
次の見出しから、詳しく紹介していきます。

殴る、蹴るだけじゃない。暴力の4つの種類

「暴力」と聞くと、殴る・蹴るといった行動をイメージするかもしれません。ですが、身体への暴力以外にも、暴力に当てはまる行動はたくさんあります。

ここでは、4つの暴力の種類を、具体例と一緒にまとめています。パートナーや、自分自身の行動で、当てはまるものがないかチェックしてみましょう。

①身体的暴力

殴る、蹴る、物を投げる、つねる、首をしめる、強い力で腕を握ったり引っ張ったりする、つき飛ばす、火傷させる、凶器をつきつける、髪を引っ張る...etc

②精神的暴力

大声で怒鳴る、容姿や体型をけなす、人前でばかにする、スマホをチェックする、交友関係の自由を奪う、殴るそぶりなどをして脅す、命令する、大切なものを捨てる、都合の悪いことは相手のせいにする、「別れるなら死ぬ」などと言って脅す...etc

③経済的暴力

お金を勝手に使う、借りたお金を返さない、いつもデート代を払わせる、無理やり高いプレゼントを買わせる、生活費を渡さない、仕事をやめさせる...etc

④性的暴力

嫌がっているのに身体に触る、無理やりキスやセックスをする、避妊に協力しない、こっそり性的な写真や動画を撮る、嫌がっているのに性的な写真や動画を見せる、中絶を強要する...etc

こうした暴力は人が当たり前に持っている「安全に生きる権利」を尊重しない行為で、どんな理由があってもしてはいけないことです。恋人になるということは、相手が自分の所有物になるということではありません。
出典:CHOICE 自分で選びとるための「性」の知識 シオリーヌ(大貫詩織) 著

「自分がデートDVをしているかも...」と思ったら?

ここまで読み進めてきて、「もしかしたら、自分がパートナーにデートDV をしてるかもしれない」と思った人もいるかもしれません。

パートナーを大切に思うあまり、束縛したくなったり、相手を困らせる言葉を口にしたくなったり...。それがダメだとわかっていても、自分の感情がコントロールできずに、デートDVに当てはまる行動をとってしまうこともあるでしょう。

どんな感情を抱いていたとしても、暴力でその気持ちを伝えることはできません。

デートDVをしてしまいそう、そんなときはまず「自分はどうしてこんな風に感じるんだろう?」と自分の気持ちに向き合ってみましょう。下記の例を参考にしてみてくださいね。

(例A)束縛したり、ヤキモチをやいて怒ってしまったりする場合

  • 不安な気持ち:あなたが大切だから、他の人にとられたくない
  • 寂しい気持ち:一人ぼっちにしてほしくない

(例B)「~するなら死ぬ」などの言葉を言ってしまう場合

  • 不安な気持ち:自分にはあなたしかいない、大好きなあなたと別れるのが怖い
  • イライラした気持ち:相手を好きな気持ち、大切に思っている気持ちが伝わらない

(例C)相手が嫌がっているのに、人前で身体に触れたくなる場合

  • 不安な気持ち:みんなに付き合ってることをわかってほしい、離れてほしくない
  • 寂しい気持ち:みんながあなたに話しかけているとき、自分にも注目してほしい

(例D)相手の負担が大きいと知っていて、値段の高いプレゼントを買ってほしい場合

  • 不安な気持ち:自分の価値に自信がない、目に見える形で愛情を証明して安心させてほしい
  • イライラした気持ち:相手の行動で傷ついた分、埋め合わせをしてほしいと思ってしまった

こうして気持ちが整理できたら、嫉妬やイライラなどの背景にある、あなたの本当の気持ちをパートナーに伝えてみてはいかがでしょうか?

これはすごく勇気がいることかもしれませんが、素直な気持ちを伝えることで、お互いのすれ違いに気づき、解決策を見つける最初の一歩になるはずです。

自分の気持ちを話したうえで、お互いに愛情や、感じていることを丁寧に言葉で伝えあえるといいですね。そして、二人にとっての心地いい連絡の頻度や、安心できるスキンシップのとりかたなど、お互いの「安全に生きる権利」を尊重した解決方法を探してみてください。

デートDVの被害にあったらどうしたらいいの?

被害にあった場合は、どうやって対処したらいいのでしょうか?

ここで伝えたいことは、3つあります。

  1. 「自分にも原因があった」と思わなくていい
  2. 暴力はエスカレートする可能性があるということ
  3. 一人で抱え込まず、専門家に相談するのも大切な選択肢

まず、被害にあったことで、「自分にも原因があった」と思わなくて大丈夫です。どんな形であれ、責任は暴力をふるう相手にあります。

「普段は優しいから」「謝ってくれるから」「付き合っているから仕方ない」と、我慢を重ねることもあるかもしれません。しかし、最初は小さなことでも、こういった行為はだんだんエスカレートしていくものです。デートDVがエスカレートすると、ストーカー行為や暴行など、犯罪に繋がることもあります。

話し合おうとすれば暴力を振るわれたり、「別れたい」「逃げたい」と思っても何かしらの形で脅されたりと、自分では解決が難しい状況もあるかと思います。そんなときは一人で抱え込まず、下記のような相談窓口に一度相談してみてくださいね。

あなたが必要な助けを見つけられる場所は、きっとあるはずです。

【全国のデートDV相談所】

対等なパートナーシップとは

もし、どちらかが行動を制限されていたり、暴力を受けて恐怖を感じているとすれば、それは対等なパートナーシップとは言えません。この記事を読んでくれたあなたに、最後に伝えたいことは下記の2点です。

自分がデートDVをしているかもと思ったら

ヤキモチをやいて、パートナーを束縛する自分の気持ちを、正当化したくなることもあるかもしれません。

ですが、愛情は、「暴力」や「支配」では表現することはできないのです。意見が合わないときや、気持ちが伝わらないときに、暴力で無理やり従わせるような行為は、その人の「安全に生きる権利」を奪っていることになります。

パートナーシップを築いていく上で大切なのは、それぞれの気持ちに誠実に向き合って、言葉で気持ちを伝えあうこと。そして、お互いの権利を尊重しながら、二人にとって心地よく、安心できる解決策を探していくことです。

最初は難しいこともあるかもしれませんが、モヤモヤ・イライラしたとき、「どうしてこう感じるんだろう?」と自分に問いかけるくせをつけて、小さなことでも相手に気持ちを伝えることから始めてみてはいかがでしょうか?

パートナーからデートDVを受けているかもと思ったら

「好き」という気持ちがあると、どんなに傷つけられても相手を信じたくなったり、「この人には私がいないと」と思ったりすることもあるかもしれません。でも、違和感や苦しい気持ちを、我慢をする必要はありません。

少しでもおかしいな、怖いなと思ったら、専門家に頼ることも大切です。あなたが助けを求められる場所はきっとあるので、一人で抱え込まずに、ぜひ相談窓口などを活用してみてくださいね。

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